第三者からの情報取得手続とは?債権回収を成功させるためのポイント解説|令和法律事務所
- koiwalaw
- 2 日前
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この記事では、令和法律事務所の弁護士が「第三者からの情報取得手続」についてご説明します。
第三者からの情報取得手続
債権者が債務者に対して債務履行を求めても、債務者が任意にその履行に応じない場合には、訴訟などの裁判手続を利用し、最終的に強制執行を利用して権利を実現します。
強制執行とは、債権者が、裁判所を通じて債務者に対する権利を強制的に実現する法的手続です。
強制執行は、債務名義に基づいて行われるため、債権者はまず裁判などの手続を通じて確定判決などの債務名義を取得する必要があります。
債務名義は、債権者の給付請求権の存在と範囲を公証する文書です。
具体的には、確定判決、仮執行の宣言を付した判決、仮執行の宣言を付した支払督促、執行証書などがあります。
しかし、裁判などの手続を通じて強制執行のための債務名義などを取得しても、強制執行の対象となる債務者の財産を把握できなければ債権を回収することはできません。
債務者の財産の調査については財産開示手続という制度がありますが、債務者の財産に関する情報を債務者に自身に開示させることは容易ではありません。
そこで、債務者の財産に関する情報について、債務者以外の第三者に開示してもらう制度として「第三者からの情報取得手続」が新設されました。
「第三者からの情報取得手続」は、債務名義を有する債権者が、債務者の財産についての情報を有する第三者から情報を取得する手続です。
債務者の財産とは、具体的には、不動産、給与債権、預貯金債権などに関する情報で、情報を有する第三者とは、登記所、市町村、金融機関などです。
「第三者からの情報取得手続」によって、債権者は、債務者の財産に関する情報について、裁判所と第三者を通じて調査することができるようになり、債務者の財産を特定することが可能となります。
債務者の財産を特定することができたら、その財産に対して強制執行を行うことで権利の実現を図ることができますので、債権者の方は、「第三者からの情報取得手続」の利用を検討してみましょう。
第三者からの情報取得手続の流れ
債権者が、債務者の預貯金債権を差押えする場合には、債務者が口座を有する金融機関とその支店を特定しなければなりません。
債権執行の詳細については、当事務所の弁護士が作成した債権執行の記事をご覧ください。
しかし、債権者が、債務者の預貯金口座の金融機関とその支店を把握していない場合も多々あります。
預貯金債権についての第三者からの情報取得手続を利用する場合には、債権者は金融機関を特定することだけが求められ、その金融機関から預貯金債権の存否、金額、取扱店舗、口座番号などの情報が提供されます。
債権者は、金融機関から提供されたそれらの情報に基づいて、債権執行の申立てを行い、預貯金債権を差押えすることができます。
第三者からの情報取得手続については、原則として債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所に対して申立てをします。
執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者などが申立人となります。
申立ての要件としては、次の2つのいずれかに該当することなどが必要となります。
強制執行または担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかったとき
知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があったとき
預貯金債権の第三者からの情報取得手続については、不動産や給与債権の取得手続と異なり財産開示手続の前置は要件とされていません。
執行裁判所は、申立てを認容する場合には、債権者が選択した銀行などの第三者に対して、預貯金債権などに関する情報の提供を命じなければなりません。
債権者の申立てが認容された場合には、銀行などの第三者は、執行裁判所に対し、情報の提供を行います。第三者から債権者に対して直接情報が提供される場合もあります。
執行裁判所は、第三者から情報提供書が提出された後1か月が過ぎると、債務者に対し、情報提供命令に基づいて債務者の財産に関する情報が提供された旨の通知をします。
債権者は、第三者から提供された情報に基づいて預貯金債権を差押えすることができるようになります。
債務者の預貯金債権からの債権回収を目指している債権者の方は、第三者からの情報取得手続の利用について検討することをお勧めします。
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