自己破産の家計簿は必要?家計収支表の書き方・家族分・提出期間を弁護士が解説|江戸川区・葛飾区

自己破産の申立てでは、収入や支出、家計状況などを明らかにするため、裁判所が指定する家計簿の提出を求められることがあります。東京地方裁判所でも申立ての際に「家計全体の状況」という書類を2か月分提出する必要があります。
自己破産を検討している方の中には、「家計簿をつける必要があるの?」「家族の収入や支出も記載するの?」「何か月分の家計簿を提出するの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
家計簿は、毎月の生活費を記録するだけのものではなく、収入や支出の状況を整理し、申立人の生活実態を裁判所に説明するための重要な資料です。また、家計簿を作成することで無駄な出費や支出の傾向を把握し、今後の家計管理を改善することにも役立ちます。
この記事では、自己破産の家計簿が必要になる理由、家族の収入や支出を記載する範囲、具体的な書き方、提出期間、作成時の注意点について、令和法律事務所の代表弁護士・大下聡(東京弁護士会)が解説します。
自己破産の手続全体の流れやメリット・デメリットについては、自己破産の手続や注意点を解説した記事をご覧ください。
自己破産では家計簿(家計収支表)が必要?
自己破産の申立てでは、家計簿などを作成し、毎月の収入と支出、家計状況を明らかにする必要があります。
ただし、日常生活で使う一般的な家計簿とは異なり、申立先の裁判所が指定する書式や、弁護士から案内された方法に従って作成する必要があります。東京地方裁判所では、申立書類として、「家計全体の状況」という書面を2か月分提出する必要があります。
家計簿を作成する目的
家計簿は、主に次のような事情を確認するために使用されます。
給与や年金、各種手当など、毎月どの程度の収入があるか
家賃、食費、水道光熱費、交通費など、生活に必要な支出がいくらかかっているか
家族の収入や、家族が負担している生活費があるか
毎月の収入と支出のバランスがどうなっているか
通帳や給与明細などの資料と、申告した家計の状況に矛盾がないか
裁判所は、家計簿だけで自己破産の可否を判断するわけではありません。借金の状況・経緯、資産、収入や支出、生活状況など、他の事情や資料も確認します。
そのため、家計簿は実際の収支の金額を正確に記載し、裁判所に対して生活状況を適切に説明できるように作成することが大切です。
家計簿をつけていなくても弁護士に相談できる?
これまで家計簿をつけていなかった方でも問題ありません。家計簿をつけていなくても自己破産について弁護士に相談できます。相談前に家計簿を完成させておく必要はありません。
まずは、給与明細、預金通帳、クレジットカードの利用明細、家賃や水道光熱費の請求書など、手元にある資料を整理しておくと、毎月の収支を把握しやすくなり、家計簿を正確に作成することができるようになります。
弁護士に依頼した場合は、申立てに必要な書類や家計簿の作成方法について、具体的な案内を受けられます。
家計簿以外にも、自己破産の申立てではさまざまな書類が必要になります。詳しくは、自己破産の申立てに必要な書類と準備方法をご覧ください。
自己破産の家計簿は誰の分を作る?家族の収入も必要?
家計簿を作成するときに特に注意したいのが、本人だけでなく、家族の収入や支出も記載する必要があるのかという点です。
同居する世帯単位で作成する
東京地方裁判所の資料によると、家計簿は「同居する世帯全体」について記入するとされています。
そのため、本人の収入と支出だけでなく、家計を同じくする同居家族などの収入や、世帯全体の生活費についても記載することになります。
例えば「家計全体の状況」の収入の費目には「給料・賞与(配偶者)」があります。
ただし、同居していても家計が別々の場合などは、実際の生活状況や費用の負担方法を確認し、どのように記載するか判断する必要があります。
家族の収入はどのように記載する?
家計を同じくする家族に収入がある場合は、誰の収入なのかが分かるように家計簿に記載します。
例えば、次のような収入が考えられます。
配偶者や家族の給与
年金
生活保護費
失業給付などの公的給付
親族などから受けている生活費の援助
東京地方裁判所の家計簿には、申立人本人の給料や賞与、年金、家族の給与や年金、生活保護、その他の公的給付、援助者からの援助などの記入欄があります。
実際に使用する裁判所の書式に従い、収入の種類や受給者を区別して記載します。
家族の支出や住宅ローンも記載する?
家計簿では、本人の支出だけでなく、同居家族などの生活費などについても記載することがあります。
東京地方裁判所の家計簿には、次のような支出項目があります。
家賃(管理費含む)、地代
食費
日用品費
水道光熱費
交通費
駐車場代
ガソリン代
通信費(電話代等)
教育費
医療費
保険料
借金の返済
自己破産の家計簿は何か月分必要?
家計簿の提出期間は、個別の事情によって異なりますが、東京地方裁判所では、申立ての際に申立前2か月分(起算日は任意)の提出が必要とされています。
事件の内容などに応じて、追加の資料や説明を求められることもあります。
家計簿は早めに準備する
家計簿は実際の正確な金額で作成する必要があります。申立ての直前になってから、過去の支出を思い出して記入するのは簡単ではありません。
自己破産を検討し始めた段階から、毎月の収入や支出を記録しておくと、後から金額を確認しやすくなります。
例えば、次のような資料を整理しておくと役立ちます。
給与明細や年金の振込額が分かる資料
預金通帳や入出金明細
クレジットカードの利用明細
家賃や水道光熱費の請求書
保険料や医療費などの支出が分かる資料
買い物のレシート、領収書
すべての資料が最初からそろっていなくても、まずは手元にあるものから整理しましょう。
自己破産の家計簿の書き方と記入例
家計簿を作成するときは、裁判所が指定する書式を使い、収入と支出を項目ごとに整理します。
収入欄の書き方
収入欄には、給料や年金、公的給付、援助など、書式に応じて必要な収入を記載します。
例えば、申立人が給料を受け取り、配偶者も給料を受け取っている場合は、それぞれの収入を区別して記載します。
記載する金額は、使用する書式の指示に従ってください。給与明細、公的扶助の決定書などの資料を確認し、実際に受け取った金額を正確に記載しましょう。
家族から生活費の援助を受けている場合も、単に自分の給与だけを記載するのではなく、書式に応じて援助の内容や金額を整理します。
支出欄の書き方
支出欄には、家賃、食費、水道光熱費、通信費(電話代など)、交通費、医療費、保険料、駐車場代など、実際に支払った生活費を記載します。
例えば、毎月の家賃が7万円であれば、家賃の欄に実際の負担額を記載します。食費や日用品代など、現金で支払うことが多い項目についても、可能な範囲でレシートなどをとっておいて記録しておきましょう。家計簿のアプリなどもありますので支出の記録に活用できます。金額はあくまで実際の支出に基づいて正確に記載する必要があります。
通帳やレシートなどで金額を確認する
家計簿を作成したら、通帳、給与明細、カードの利用明細、請求書などの資料と照らし合わせ、金額が正確か確認しましょう。
現金での支出など、すべてを資料だけで確認できるとは限りません。資料が残っていない場合は、分かる範囲で整理し、金額や使途が分からないものは弁護士に相談してください。
実際の収支と異なる金額を記載したり、分からない部分を根拠なく埋めたりすることは避けましょう。
自己破産の家計簿を作成するときの注意点
収入や支出を実際より少なく見せない
家計簿は、収入や支出、生活状況を裁判所に説明するための資料です。実際の正確な金額を記入する必要があります。
収入を記載しなかったり、支出を実際より少なく記載したりすると、通帳などの提出資料との間に矛盾が生じる可能性があります。
実際のお金の流れに沿って記載し、説明が必要な点があれば、事実に基づいて説明できるようにしておきましょう。
収支が赤字でも黒字でも、それだけで結論は決まらない
家計簿を作成すると、毎月の収支が赤字になっている場合もあれば、一定の余剰が出ている場合もあります。
しかし、家計表が赤字か黒字かという一点だけで、自己破産ができるかどうかが決まるわけではありません。
借金の総額、収入、財産、生活状況、借金が増えた経緯などを総合的に確認する必要があります。
家計の収支に不安がある場合も、自己判断で自己破産を諦めず、弁護士に相談して状況を確認しましょう。
自己破産を検討する際は、手続の準備だけでなく費用についても確認しておくことが大切です。自己破産にかかる弁護士費用・裁判所費用と、費用を準備できない場合の対処法については、こちらの記事で解説しています。
江戸川区・葛飾区で自己破産を検討している方へ
自己破産の申立てでは、借金や財産の状況だけでなく、毎月の収入や支出など、生活状況を説明することも重要です。
家計簿の作成方法や家族の収入・支出の扱いは、実際の生活状況や申立先の裁判所によって確認すべき点が異なります。
令和法律事務所では、江戸川区・葛飾区を中心に、自己破産や債務整理に関する法律相談を受け付けています。
弁護士の大下聡(東京弁護士会所属)が直接お話を伺い、借金の状況や収入、財産、生活費などを確認したうえで、自己破産を含む債務整理の方法や手続についてご説明します。
初回相談は無料です。法テラスの利用や弁護士費用の分割払いについてもご相談いただけます。
借金の返済が苦しい方、自己破産の準備をどのように進めればよいか分からない方は、一人で抱え込まず、ご相談ください。
ご相談は予約制です。お電話・メールでは法律相談を承っておりません。ご相談をご希望の方は、ご予約のうえご来所ください。
弁護士費用の負担が心配な方は、一定の要件のもとで利用できる法テラスの制度も選択肢になります。法テラスを利用した自己破産の手続や費用についてもご確認ください。
自己破産の家計簿に関するよくある質問
自己破産の家計簿は本人の分だけでよいですか?
本人の分だけでよいとは限りません。東京地方裁判所では、同居する世帯単位で記入することとされています。家族の収入や支出をどのように記載するかは、実際の家計の状況に応じて確認する必要があります。
同居家族の収入も記載しなければいけませんか?
家計を同じくしている同居家族の給与などの収入については、記載が必要になることがあります。一方、同居していても家計が別の場合などは、実際の生活状況に応じた整理が必要です。弁護士に家計の管理方法を説明し、記載方法を確認しましょう。
自己破産の家計簿は何か月分必要ですか?
東京地方裁判所では、申立て時に原則として申立前2か月分(起算日は任意)の提出が必要とされています。ただし、事件によって取扱いが異なる場合があるため、具体的な必要期間は弁護士に確認してください。
レシートをなくした場合はどうすればよいですか?
レシートがないからといって、直ちに自己破産の申立てができなくなるわけではありません。通帳やカードの利用明細、請求書など、ほかの資料で確認できるものを整理しましょう。金額や使途が分からない場合は、推測で記載せず、分かる範囲で弁護士に相談してください。
家計簿が赤字だと自己破産できませんか?
家計簿が赤字か黒字かだけで、自己破産ができるかどうかが決まるわけではありません。借金の額・経緯や財産、収入、生活状況などを総合的に確認する必要があります。
家計簿をつけていなくても弁護士に相談できますか?
相談できます。相談前に家計簿を完成させておく必要はありません。給与明細や通帳、家賃・光熱費の請求書など、手元にある資料を整理しておくと、相談を進めやすくなります。
金の状況によっては、自己破産以外の方法を検討できる場合もあります。自己破産・任意整理などの債務整理の違いを確認し、自分の状況に合う方法を検討しましょう。
まとめ
自己破産の申立てでは、家計簿などを通じて、収入や支出、生活状況を説明する必要があります。
東京地方裁判所の家計簿(「家計全体の状況」)は、同居する世帯単位で記載し、申立て時には申立て直前の2か月分を提出する取扱いです。ただし、必要な書類や作成期間は、申立先の裁判所や個別の事情によって異なる場合があります。
家計簿を作成するときは、家族の収入や支出を適切に区別し、レシート、領収書、通帳などの資料と照らし合わせながら、実際の正確な金額を記載することが大切です。
家計簿をつけていなかった方や、家族の収支をどこまで記載すればよいか分からない方も、早めに弁護士へ相談し、必要な準備を進めましょう。
江戸川区・葛飾区で自己破産や債務整理を検討している方は、令和法律事務所の無料相談をご利用ください。
自己破産の家計簿の作成方法や必要書類について不安がある方は、令和法律事務所の無料相談予約ページからご予約ください。


